マンションの壁紙張替えを自分で成功させるためには、その技術以上に「事前の準備」が重要です。正しい道具と材料をきちんと揃え、必要な壁紙の量を正確に計算しておくこと。この準備段階を丁寧に行うことが、作業のスムーズさと仕上がりの美しさを決定づけると言っても過言ではありません。まず、必ず揃えておきたい「道具」から見ていきましょう。最低限必要なのは、「カッターナイフ」「地ベラ(カッターの定規代わりになる金属製のヘラ)」「撫でバケ(空気を抜きながら壁紙をならすブラシ)」「ジョイントローラー(壁紙の継ぎ目を圧着する道具)」、そして「スポンジ(はみ出たのりを拭き取る)」です。これらはホームセンターなどで「壁紙張り替え5点セット」のようにまとめて販売されていることも多く、初心者はまずそれを購入するのが手軽でおすすめです。その他に、古い壁紙を剥がすための「スクレイパー」や、作業スペースを汚さないための「養生シート」、手を保護する「ゴム手袋」などがあると、より快適に作業を進められます。次に、「材料」です。主役である「壁紙」は、DIY初心者には、あらかじめ裏面にのりが塗布されている「生のり付き壁紙」が断然おすすめです。のりを塗る手間が省け、届いたらすぐに作業を始められます。そして、もう一つ重要なのが「壁紙の必要量」の計算です。これを間違えると、作業途中で壁紙が足りなくなるという悲劇に見舞われます。まずは、張り替えたい壁の「高さ」と「横幅」を正確に測りましょう。必要な壁紙の長さは、「(壁の高さ+上下の余裕分10cm)× 必要な枚数」で計算できます。必要な枚数は、「壁の横幅 ÷ 壁紙の幅(通常約90cm)」で算出します。もし、柄物の壁紙を選ぶ場合は、隣の柄と合わせるために余分な長さ(柄リピート)が必要になるため、計算には注意が必要です。少し多めに注文しておくのが安心です。完璧な準備は、自信に繋がります。焦らず、まずは必要なものをリストアップすることから始めてみましょう。