住宅の再生を検討する際、リフォームと建て替えのどっちが経済的かという問いには、単なる初期費用の比較だけではなく、住宅の「残存寿命」という視点が欠かせません。多くの場合、リフォームは建て替えの五割から七割程度の予算で済むことが多いため、一見すると安く上がったように感じられます。しかし、リフォームした建物そのものの躯体が古いままであれば、十五年後や二十年後には再び大規模な修繕が必要になる時期が訪れます。一方で、建て替えを選択すれば、初期投資は大きくなりますが、最新の住宅設備や構造によってその後の30年間は大きな修繕費をかけずに済む可能性が高いのです。つまり、今支払う金額がどっちが安いかという点だけでなく、将来にわたるトータルコストを時間軸で割った「年間の住居費」を考える必要があります。例えば、リフォームに一千万円かけて寿命を十五年延ばすのと、建て替えに三千万円かけて寿命を三十五年に更新するのでは、年間のコストパフォーマンスで見れば建て替えに軍配が上がることもあります。特に税制面での優遇措置も判断を左右します。建て替えの場合、最新の省エネ基準を満たすことで住宅ローン控除の額が増えたり、贈与税の非課税枠が拡大したりすることがあります。対してリフォームは、補助金制度が充実しており、断熱改修やバリアフリー化に対して国から手厚い支援を受けられるメリットがあります。どっちを選ぶにせよ、現在の資産状況と今後の収入の見通しを精査し、将来の相続についても家族で話し合っておくべきでしょう。もし、その家を子供の代まで残したいのであれば、構造から刷新できる建て替えが有利ですし、自分たちの代だけ快適に過ごせれば良いというのであれば、リフォームの方が資金を生活のゆとりに回せる可能性があります。銀行の融資条件も新築の方が有利な金利で借りられることが多いため、借入額だけで判断せず、返済計画全体を俯瞰することが賢明な判断に繋がります。住宅は単なる建物ではなく、人生設計の基盤であることを忘れずに、長期的視野を持って選択をすることが重要です。
費用と寿命から考えるリフォームと建て替えどっちを選ぶべきか